イタリア語の上達方法と、友達を作る方法

今回は、イタリア在住12年でミラノのアクセントが抜けて離れないTKが担当します。

長期滞在許可証を取得しましたが、今は日本で生活をしています。

留学のサポート、最低限生活をするための初級のイタリア語講座などを担当していますので、留学を具体的に考える方はいつかお話しすることがあるでしょう。

テーマはズバリ、「イタリア語上達の方法と友達の作り方」です。

私は、イタリア人のちょっとお歳を召した方に「君は話すのが早すぎるから、ついていけない」というほど、高速でイタリア語を話していました。

まずは、どうやったらイタリア語が上達するのか?友達ができるのか?についてお話しします。

学校の同級生がいれば、積極的に交流するのは王道ですが、今回はそれ以外の方法をお伝えします。

目次

イタリア語上達の方法とは?

私のイタリア語の学校はBar(バール)でした。もちろん語学学校には行き、文法や色々なことは学びますが、実践が圧倒的に足りないのが、語学学校の1番の弱み。

朝ごはんはそこでブリオッシュ(クロワッサンをミラノではこう言います)とカップッチョ(カプチーノ)を食べ、日中は小休憩でオフィスからバールまで2、3分散歩してエスプレッソを飲み、夕方にはアペリティーヴォなるシステムがあり、お酒を頼めば、食べ物がついてくるので、友達や友達の友達と語り尽くす、そんな場所です。

アペリティーヴォはミラノ発祥。バールによっては、ドリンクを頼めば、ビュッフェ式で食べ放題だったりします。なので、夕食を意味する「cena(チェーナ)」と結びついて「アペリチェーナ」と言ったりしますが、この言葉を言うと、ミラノ人は決まって「ニヤッ」とします。こうした現地でしか聞かない言葉を使うのは、ミラノに入り込んだ証のようなものだからです。

日本人同士で行く時は「アペする?」なんて言い方をします。私は日本人と話すよりも、イタリア人とできるだけ交流するようにしていましたが、日本人同士の交流も楽しいものでした。

現地在住が長めの日本人の友人ができれば、そこから日本人の友達の輪に入れますし、そこに日本好きのイタリア人が高確率で「アぺ」しに来ます。そして段々と色々なイタリア人と知り合うようになり、明らかにいい加減な人や言動がおかしい人は置いといて、気の合う、誠実そうなイタリア人と友達になっていく、というのが友達の作り方の一つです。

日本人と交流しようというSNS上で参加を呼びかけるイベントもあったりします。

ちなみに海外ではメッセージはwhatsappが多く, facebookは日本以上に利用されています。

イタリア人の親友を作る方法

イタリア人と親友になる。バールで運よく、気の合う誠実なイタリア人に出会えればいいですが、飲み歩く人の中から、日本好きで、日本人の拙いイタリア語に付き合ってくれて、誠実そうで、なんて言う人、なかなかいません。

なんか、女性ならナンパ目的でそういう振る舞いをする人は多くいるでしょうが・・。結構、注意が必要です。

女性はやっぱり強いですよ。日本人女性はモテますし、女性同士の友情とかありますし。

でも男性の私でもできる方法があれば、割とどんな人でも親友を見つけることができると思います。

イタリア人と話す前提

まずは、自分の考えを持つようになることです。

何が好き、自分はこう考える、そういう自分の考え、自分の世界を構築していくことが必要になります。

人と違っていていいんです。いつもイエスばかり言う人では、面白みがありません。

自国の文化を紹介することも必要ですし、人の世の色々な問題や苦労、家族問題、友人関係、政治や経済や文化や色々なことに意見を持つ大人であることは、20代であっても年齢が上がるほどに、求められることです。

人の心情を細やかに描写する、人を知る、こういうことは、なかなか海外の人と話さないと伸びない部分かもしれません。色々な民族や色々なタイプが入り混じるイタリアでは、日本人としての、個人としての認知の癖のようなものを理解することも多くあるでしょう。

自分軸がありつつも、柔軟性も多いに必要という、まあ、揉まれましたよ。人には。あわあわしながら。

イタリアで最強の友達作りの方法-日本の伝統芸能を教える

私の場合は、日本の伝統芸能でイベントで演奏することでした。

私の場合は、和太鼓と篠笛。

日本文化イベントがあったら積極的に的に観に行きます。そしてオーガナイザーと話をしていくと、高確率でイベントオーガナイザーや日本文化でミラノ市内で知られている人に出会えます。垣根は低いですからね。ミラノでなくても、日本文化好きの人は多いので、出会えることでしょう。

規模の割と大きイベントなら、領事館で情報を流してもらうこともできるかも?

そして、彼らがイベントを開催するときに、自分の得意な芸能を披露すればいいのです。

書道でも、生花でも、篠笛でも、日本の歌でも、なんでもいいです。

剣道、柔道、空手、合気道などは道場があるので、会費を払って参加するだけです。

着物を着たり、ハッピを着たり、sousouとか日本ぽい衣装で出演すればバッチリです。

ベルリンの演奏の写真です。

もし、誰かに演奏が刺さったなら、兼ねてから習いたいと思っている芸能だったなら、必ずあなたに声をかけてきます。

「私、前から〇〇が好きで、習いたいって思ってたんだけど、習うことってできる?」

教える場所や、教えるメソッドは必要ですが、うまく練習会を運営できれば、人が人を呼び、習いたい人が増えていきます。イベントに出れば出るほど、増える可能性があります。もちろん芸能によりますが、和太鼓なんて、ほんとに人が来すぎるくらいでした。

教えるということは、イタリア語で説明をするわけです。なので、あたふたしながら教えるわけですが、まあ熱意の高いイタリア人は、言葉の面ではわかろうとしてくれますし、サポートしてくれて、語学の勉強になりすぎるくらい、勉強になります。

やっていくと、いろんな人がいて、うまくいかなかったり、ドタキャンしたり、ちょっとやばい人だったりしますので、人を選ぶ、ルールの中で運営するとかいうことは必要になりますが、ともかくも、同じことを長く続けるほど、長い間付き合える親友になっていきます。長い付き合いになる程、練習会の後はバールに行くことが多くなっていきました。

日本の芸能を教える、という方法は、イタリア語を上達する上で有効すぎるほど有効な方法です。もちろん、長期滞在者向きの方法で、時間がかかりますが、現地の友達が多いほど、生活は楽しくなるものですし、色々と助けにもなってくれます。

もっと手軽な裏技

もっと簡単な方法はないのかよ、と言われればあります。

もし歌が得意なら、合唱団を見つけることです。教会のコーラス隊でもいいです。

日本の芸能のコースを運営している団体があれば、月謝を払ってそこに通えばいいのです。

また、アフリカの太鼓とか、日本でやろうと思ったことのないアソシエーションに通うのもありです。

芸術を通して付き合えば、あまり言葉はいらないかもしれませんが、先生の言うことはある程度わからないとついていけないので、日本の習い事をミラノでも続ける、という感じが一番いいと思います。そこにはイタリア語の簡単な通訳をしてくれる日本人、そして日本好きのイタリア人がいるから安心です。

ただし、女性はナンパと帰りの夜道に注意!

言葉を習得する副産物

留学で一番大事なことは、違う価値観に触れ、人として幅を広げることだと思います。

人としての成長

成長する、というのは、日本の予定調和から離れた、予想もしないことが起こる環境で、怒らず、適応しようとし続け、耐えきれず泣くこともあれば、日本ではこんなに笑ったことがない、というくらい友達と笑い合えるようになる、そうやって価値観の違うたくさんの人にもまれることだと思います。

日本では味わえなかった人の暖かさにたくさん触れることができ、ジーンときたり、時に誰かと人間関係がガラリと変わったり、色々なことを経験するでしょう。

言葉を学ぶほど、より多くの人と意見交換ができ、新しい考え方に触れられます。そして自分の意見も醸成されます。イタリア語でしか得られない考え方、価値観がえられます。イタリア語を通した人との交流は、自分の知らなかった面を引き出し、伸ばしてくれます。

そして、芸術においても、全く違った捉え方をする人たちと話し、彼らの美意識に揉まれるほど、批判や賞賛を得るほどに、新しいができるようになるでしょう。

日本の芸能で得た副産物

日本の伝統芸能を教える意外な副産物について書きます。私は、すごくいい体験をしました。

私は和太鼓でロンドンの大英博物館のメインエントランスで演奏をし、ベルリンの音楽祭に出演し、フランクフルトの太鼓グループとコンサートホールで演奏、イタリアでは数々の音楽祭やイベントによばれ、劇場版「蝶々夫人」で数十回出演して太鼓をイタリアやスイスで叩き、オペラの声楽を学んでいた日本人のメンバーはこれらのイベントで日本の歌を多くの人の前で披露しました。

いつの間にか彼女の出演歴はすごいことになりました。

蝶々夫人の舞台(ミラノ)にて。この舞台女優の方は、クラシック音楽の作曲家メノッティのお孫さんです。

ギャラが発生することも多かったので、きちっと処理しないといけず、そのための事前準備ができていないとボランティアでの演奏になりますが、イタリア人メンバーがいれば、会計士を紹介してもらったり、助言をもらうこともできます。

もし声楽の人ならば、オペラで演奏の機会を得ることは難しくても、こうした日本人であることの武器を生かすことができれば、歌う機会は劇的に増えるでしょう。また、そうでなくても現地で日本の楽器を演奏する経験は、舞台経験として必ず生きてきます。

そういった副産物もありますが、学校の課題で忙しい人には、ちょっと難しい方法かもしれません。

まとめ

以上、イタリア語上達と、友達を作る方法についてでした。

とにかく言葉は、簡単な表現でいいので、使うのが一番!使えないと聞き取れません。使えるようになったレベルの、ちょっと斜め上くらいしか完全には聞き取れないからです。

わからなくても、聴き続ければいつかわかるようになります。わからない時、自分から話題を振れば、何について話しているのかはわかります。

私の場合は、基礎を日本で学び、3か月の語学留学を2回こなした後で、イタリアに長期滞在しました。長期滞在の最初は、カタコトのイタリア語は話せましたが、それでも流暢な会話は難しく、2年半くらい経った頃に、何不自由なく生活できるようになり、4、5年経ったら高速で話すようになっていました。

もちろん10年住んでも、法律上のことや、難しい手続きのことは大変ですが、それでも経験するジャンルが増えるほど語学の範囲も増えていきます。

そんな経験がありますので、「生活できる」を目的とした、実践に特化したレッスンを行っています。ミラノ風のアクセントですが。

イタリア語が話せるようになると、聞こえ方まで変わってくるものです。私の場合は、蕎麦を啜る「ズズズ」という音が耳障りに感じるようになったり、体内の音の響き方が変わりました。

味覚にも変化があり、日本に帰った今もイタリアの味覚が残って、混ざっています。より自然な食材の味を好むようになりました。日本に帰ってからの私の好物は「あおさ納豆」にオリーブオイルをかけて食べることです。良質のオリーブオイルがなかなかみつからない日本では不自由さ?はありますが、健康にはいいです。もう煮物でも、なんでもかけてしまいます。

いつかオリーブオイルについて深く解説するのもいいかも?

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