留学飯シリーズ オリーブオイルを知ろう1

イタリア留学中に、先生と話をする時には、よく食べ物の話になります。ワインやオリーブオイル、パスタなど、イタリアの食文化を知ることは、彼らの感性の土台であり源泉を知ることでもあります。

美食の国イタリアでは、食材も音楽や美術、デザインと同様の感性をもって生産されていますし、国民全員が劇場の観客のように素晴らしい食材を賛美します。

そして、充実した留学で欠かせないのは、健康な食事と睡眠!

まずは日本でいう醤油のようにあらゆる局面で必要となるオリーブオイルについて。

日本で売られているオリーブオイルには、エキストラヴァージン・オリーブオイルと、オリーブオイル(ピュアオイル)の二種類ではないでしょうか。

その違いを解説します。

目次

エキストラヴァージン・オリーブオイルとは?

エキストラ・ヴァージン・オリーブオイル(最近は頭文字を取ってEVOやolio EVOと呼ばれる)ですが、これは成分分析や香りなどの品質検査を超えて一定の基準を満たしたものだけが許されている名称です。非常に厳しいのです。

オリーブの酸化は命取り

オリーブの収穫は、法律で定められており、10月中旬以降に始まりますが、11月に入って日にちが経つとオリーブの水分量が増えて実が大きくなり、搾油率は上がるものの、オリーブの香りなどの品質が落ちるという話を聞きました。

熟すにつれてオリーブの実は緑色から黒紫色になっていくものが多いのですが(品種による)、あまり熟すと香りの劣ったものになると言われています。葡萄は熟すほどに香りが増していくのですが、それとは反対です。

通常、オリーブは収穫されて24〜48時間以内に搾油工場に運ばれて破砕され、実のペーストから搾油されます。搾油率は12-13%といわれますが、オリーブによります。トスカーナ州では24時間以内と法律で規定されている、と説明を受けました。

時間の規定があるのは、収穫に参加し始めるオリーブの実の酸化が味わいの命取りになるためです。新鮮で健全なオリーブからしか香りが良いオイルは得られません。

EVOの酸度は0,8%以下である必要があります。さらに良質のオイルは酸度が0,1-0,3%です。

その他、オレイン酸の含有量、オイルの酸化の度合い、アルキルエステル、ポリフェノール含有量などが調べられ、規定を満たさなければなりません。

ポリフェノールはオイルの苦味や辛味にかかわる要素で(ラグーなど肉料理には辛い方が良い・・)、抗酸化作用があるので健康維持・増進を助け、ボトリングされた後にオイル自体の品質を保つためにも必要な成分です(光の当たらない場所で保管しましょう)。

ポリフェノール含有量は、オリーブの品種によっても変わります。

オリーブオイルの種類

一般に売られている「ピュアオイル」や単なる「オリーブオイル」を説明するために、さまざまなオイルの種類を簡単に見てみます。

このようにいろいろな種類のオイルが作られています。

EVOを食卓に

エキストラバージンオリーブオイルは、本当に厳しい基準を超えて作られていることがわかります。

良質なオリーブオイルは血管年齢を維持したり、抗酸化物質が豊富で健康に良いとされています。健康効果のエビデンスのある地中海式食事法では、EVOが使われます。

イタリア人はサラダにオリーブオイルと塩で食べたり、オリーブオイルとワイン酢で食べたりしますが、かなり健康的ですね。生でオイルをとることは健康によく、イタリア人はナッツ類もよく食べるので、そこからも良質な脂質を摂っています。

日本にもオーガニックのオリーブオイルなど、良質なオイルは手に入りますし、地中海式ダイエットは和食に置き換えやすいので、野菜を多く摂り、EVOを加えて、塩分量に気をつければ、バランスの良い食事ができます。ナッツ類をサラダと共に、あるいはおやつに摂るのも良いです。

イタリアは丘陵地が多いので、平野部の多いスペインやポルトガルに比べて生産性が高くなく、価格が上がってしまいます。トスカーナのオリーブオイル生産者が「品質で勝負しなければ」という危機感を持って仕事をしているのをみました。

一方で南イタリアで生産されるオリーブオイルは、地形や気候の良さが手伝って、香りが良好で、生産量もあり、幾分安価なオイルが生産されています。

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