イタリアの水道水は飲めるのか?
水はイタリアで生活をする上でとても大事なテーマです。
イタリアの水は、少し石灰分(calcare)が強いと言われます。
イタリア生活での水問題について解説します。
洗濯
留学生が洗濯をする場合、コインランドリーを利用したり、語学学校が紹介してくれるホストファミリーの家やルームシェアのアパートにある洗濯機を利用することがほとんどでしょう。
語学学校が紹介するアパートの場合、1人部屋、2人部屋を選び、それに応じて料金が変わります。キッチンやバスは共同であることがほとんどです。もしくは、現地の日本語での情報サイトやsubito.itのような現地の情報サイト、で探す人もいるでしょう。
さて、本題の選択ですが、イタリアの水は石灰が強いため、イタリアではanticalcareという石灰質を除去する粉剤をスーパーで買って、洗剤とともに洗濯機に入れる必要があります。水垢が溜まっていき、配管や洗濯機内部を痛めることになり、また洗濯物も匂いが出たり、肌触りが悪くなったりします。
スーパーでCalgonなどの洗濯機用の石灰除去剤は必ず売っています。
飲み水とミネラルウォーター
飲み水ですが、これは人によりけりです。水道水はacqua potabile(アックア・ポタービレ)と言います。
イタリアでも公共の上水は厳密に検査され、微生物汚染を含めしっかりと検査されています。それでも石灰分は多めなので、bricoというメーカーの浄水フィルターのついている水用ポットを使う人が多いと思います。ただ、味は思いっきり硬水って感じです。
スープやパスタを茹でる水は水道水で十分でしょう。
ですが、例外もあります。もし住んでいる建物が古い場合、建物の配管のサビなどの汚れが入ることがあるとも言われています。私が仕事の関係上、すごい田舎の丘の上に住んでいた頃ですが、2年ほど誰も住んでいなかった家の蛇口を捻ると、少し錆水が出ました・・。
しばらく流していると、透明になり、その後は濁った水が出ることはなかったのですが、肌が敏感な人は肌荒れがするので、キッチンにもシャワーにもホームセンターで売っている浄水器をつけていました。都市部の家ではまず大丈夫とは思いますが、あまり人が住んでいなかったようなアパートは要注意です。
浄水器は、Leroy MerlinやBrico centerなどのホームセンターで売っています。街により色々な名前のホームセンターがあるでしょう。
飲み水はスーパーで売っているペットボトルを車で大量に運んで使っていましたし、イタリア人の多くもペットボトルの水をカートでまとめ買いします。イタリアのスーパーでは2Lx6本セット(ビニールに包まれて取っ手もついている)で売っていることが多く、一本10セント台から40セント台が多かったように思います。いいお水になるとさらに高くなります(オーガニックスーパーに売っているものなど)。私はguizzaという水を好んで買っていました。一本25〜28セントほどでした。ミラノに住んでいる時も、飲み水は買っていました。2リットルが重い場合は、包装を破って必要な分だけ買ったり、あるいは1.5リットルの6本セットにしたり、2輪のカートを利用する人もいます。まとめ買いをして、車で運ぶか、配達を頼むのがおすすめです。
Sant’annaやValmora、Lauretanaといったメーカーも軟水で飲みやすいと思います。色々試してみると面白いと思います。
都市部だと大手のスーパーは配送サービスもやっているので、アプリで買い物し、配達してもらうことも可能です。
このように、いい水を飲もうと思うと、大変なところがあります。
水の硬度はメーカーによって違いますが、日本のような軟水がいい人は、oligominerale(鉱物の含有量が少ない)と表記してある水を買うと良いです。特に子供には軟水を飲ませる必要があるので、Sant’annaという軟水には赤ちゃんの顔が印刷してあったりします。ご飯を炊いたり、煮物などの和食を作る場合には、軟水の方が美味しくできます。
ちなみに、同じメーカーでも、二種類あり、frizzante(チクチクするの意味)と書いてあると、炭酸水です。シュワシュワしたくない場合は、naturaleと書いてある方の水を選びましょう。
シャワー・バス
シャワーボックスでシャワーを浴びることが多いイタリアでの生活ですが、石灰分が多いため、ガラスの壁面に水垢がはっきりとついてしまいます。シャワーのチューブと壁面の配管のつなぎ目を外して浄水器をつける人もいます。
ここで登場するのが、洗濯機の場合と同じanticalcare。今度は洗面台やシャワーボックスなどの掃除用の液体で、これもスーパーで売っています。中には、エコロジーな生活を志す人が、キッチン用の酢でを使う場合もありますが、効果はそこまで強くはありません。私はanticalcareでシャワーボックスやバスタブ、蛇口が光り輝くような状態を取り戻すのが好きでした。こまめに掃除しないと、取るのが大変なので、1週間に一度は掃除を兼ねて石灰を取り除いた方がいいです。キッチンのシンクも同じですが、こちらは1〜2日に一度、お皿を洗い終えたら、まめに酢で洗えば良いでしょう。
シャワーヘッドも、定期的に掃除をしないと、石灰分が固まって、目が詰まってしまいます。ホームセンターで25ユーロから30ユーロほど出せば、割と良いシャワーヘッドが買えて、自分で簡単に取り付けられるので、定期的に変えるのも良いかもしれません。高いシャワーヘッドで滝のように水が出てくるものがあり(小さいシャワーヘッドもついていて、そちらに切り替えて体を流す)、滝を浴びて気持ちよくリラックスする人もいます。私は、月に1度くらい、anticalcareか酢にしばらくつけるなどして、たっぷりとすすいで掃除していました。
ちなみに、イタリアは街は汚いと思うことが多いですが、家の中はきれいにしている人が多いです。掃除できない場合は、掃除のおばさんに頼む人もいます。
水道料金
最後に水道料金ですが、これは賃貸の場合、ほとんどは大家さんが支払ってくれます。ただ、毎日バスタブにお湯を張るような生活をした場合は、何か言われる可能性があります。
私は田舎の方に住んでいたときに、一度だけ、よほどケチな大家さんがいて、水道料金を払うように言われて払っていました。2ヶ月に一度、60〜70ユーロほど払っていた記憶があります。しかし、これは地方によって全く額が異なるので、一概には言えません。ミラノは比較的安く、1家族につき年間平均で184ユーロくらいと言われており、トスカーナ州は最も高く700ユーロを超えると言われます。
イタリアではバスタブがあっても基本シャワーで、湯船に浸かるのは週に1〜3回ほどと思っておけばいいと思いますが、確かにミラノの場合、イタリア人と結婚した日本人女性からパートナーが30分くらいシャワーを浴びて気持ちよさそうにしている、と聞いたことがあります。
水について 番外編
お年寄りで話を聞くと、ピロリ菌の治療を受けたことのある人が結構多いです。これは昔井戸水を使っていたからで、日本でも井戸水で生活をしていたことのある人は、ピロリ菌が原因で、胃壁が白くなったり、少し穴が空いたりするために、薬物療法をする必要があります。レントゲンでも出ます。もし田舎で生活することがあり、井戸水を使う、なんてこちは今のイタリアでもないでしょうが、井戸水は煮沸して使いましょう・・。
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